新曲「走馬燈」ストリーミング開始
WasaViの新曲「走馬燈」がリリースされました。
Dリーグ22-23シーズンRound4, Benefit one MONOLIZにて使用されたこの楽曲。
吉原を舞台としているため、古語にて制作いたしました。
各種音楽配信サービスにて視聴可能。是非お聞きください。
歌詞 / Lyrics
あなたが愛してくれたという
誰も証明できない
思い出を弔うわ
廓でわっち梅の花 でありんす
見初めてより
いとかうしも見えじと
キセルの煙にことなしぶ
ちはやぶるにはならまほしからず
さながら有明の月
思ひ絶えなむと
言ふよしもがな
玉の緒よ、え忍ばざれば
絶えねと思へども、あふ事もあらんと結び結び、結ばれず
「わだつ海の、礒もとどろに、寄する波
我は恋わたり、君に逢わむ」
わたつ海は未だ見ざれど
この身学(まね)びき波のよう
世の外の思ひ出に
ひとたびの逢ふもがな
されどわっちは梅の花
そしてあがり花
名残など…
禿らの声も遠ざかり
次の言葉が聞き納
名残などありんせん
わっちは花魁でありん…
<現代語訳>
あなたに出会った時から私は
決して取り乱した姿を見せまいと
キセルの煙に自分の気持ちを隠していた。
在原業平が詠んだ「ちはやぶる」の歌のように駆け落ちしたくはないのだけれど、
夜が明けても貴方の存在を感じてしまう。
まるで夜明けに出ている月のようね。
「あなたへの想いを諦めてしまおう」と
貴方に言う方法があったのなら、まだ楽だったのかも知れない。
我が命と体を結ぶ紐よ、我慢ができないなら切れてしまうがよい。と思うものの
生きていればあの人にまた会えるという願いが私の命を現世に結びつけていた。
結局、私と貴方は結ばれなかったけれど。
「海の磯もとどろくほどの大波のように貴方を想っています。
私は貴方に恋をし続け、そして会いに来ます。」
私は幼い頃から遊郭にいるので「海」というものを見たことがありませんが
この揺れ動く心は、貴方が教えてくれた「波」に似ているのでしょうか。
あの世へ持っていく思い出として、今もう一度だけ貴方にお会いしたいのです。
だけど私は梅の花。
私の体はもう売り物にならないのでございます。
だからもう未練などはありません。
私の意識が薄れるにつれ禿らの声が遠ざかっていく。
きっと次の言葉が聞き納めだろう。
未練などありません。
私は花魁で…
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