ジェンダーとセクシャリティって違うの?
こんにちは。
シスジェンダー・ホモセクシュアル・ホモロマンティックのWasaViです。
上の自己紹介、どういう意味かお分かりでしょうか?
ジェンダー論に興味がある方でも「どういうこと?」となるかもしれません。
今回は、この意味についてお話ししていきます。
Contents
どうしてジェンダーについて知る必要があるの?
「ジェンダー」とは、簡単に言えば心の性になります。
最近は様々な活動により、色んなジェンダー / セクシャリティが認知され始めました。
その反面、「LとかBとかAとか多すぎて分からない」という声を聞きます。
もっといくと「男か女でよくない?」という意見もちらほら。
しかし僕は全くそうは思いません。
何故なら、我々はどうしても社会の常識に縛られてしまう。
そして常識的でない事を「変」と思ってしまうからです。
今までの常識は「性には男女しかない」というものでした。(この考えをジェンダーバイナリーと言います)
しかしそこに当てはまらない人は確かに存在しています。そしてその人たちは別に「変」ではないはずです。
だけど人は、社会の常識から外れると、本能的に「変だ」と思ってしまう。
つまり、男女以外のジェンダーを持つ人は、本能的に自分を「変」と思ってしまう社会が、今広がっています。
さらにジェンダーやセクシャリティは非常に複雑です。
「私は女性だけど、女性に性的欲求を抱いてしまう。だけど恋愛対象は男性のみ」
など、一つの常識で制定することができません。
正直一人一人が特別な存在なので、分類するのも変な話ですが、「一人一人が特別!」なんて言っても今までの常識は変わらない。
だからジェンダーを細分化することは大切だと考えます。
もちろんジェンダーについて知らなくても生活はできますが、知っていればもっと自分と他人に優しくなれると思ったので
今日は、ジェンダー論の取っ掛かりとして、どんなジェンダーがあるかについてお話ししたいと思います。
ジェンダーとセクシャリティって違うの?
題名のトピックに入っていきましょう。
ジェンダーとセクシャリティは、違います。
さらに、このふたつのみならず「恋愛的指向」「出生時の性」「解剖学的性」「性表現」など
様々なものが組み合わさって性は出来上がっています。
ここで重要なのは「組み合わさっている」という点です。
よく「ゲイ=心も女性」と勘違いされますが、「ゲイで心が男性」の人も多くいます。
一部になりますが、今から紹介する要素が組み合わさって複雑に構成されているのが性なのです。
ジェンダー:心の性
ジェンダーとは簡単にいうと心の性、難しく言うと文化的/社会的な性です。
また、本人が自分の心の性をどう認識しているかを「ジェンダー・アイデンティティ」と言います。
これは生まれた時の性(アサインド・セックス)と一致すると思われていましたが、そうでない例も多々あります。
※ここで身体の性と言わないのは、典型的な女性/男性の身体特徴を持たない人もいるためです。(旧名:両性具有者)
どんな例があるか、一部ですが見てみましょう。
・シスジェンダー
生まれた時の性とジェンダー・アイデンティティが一致すること
「男性として生まれて、自分は男性と認識している」など
・トランスジェンダー
生まれた時の性とジェンダー・アイデンティティが異なること
「女性として生まれて、自分は男性と認識している」など
・Aジェンダー(Xジェンダー)
自分はどのジェンダーでもないと認識すること
「自分は男でも女でもない」など
・クエスチョニング
自分の性が定まっていない、意図的に定めていないこと
「男でも女でも、なんか違和感がある」など
セクシャリティ:性的指向
簡単に言えばセクシャリティとは性的な欲求・関心を誰に向けるか、ということです。
そして、性的「嗜好」ではないことに注意です。(意図的に選んだ好みではないので)
どんな例があるか、一部ですが見てみましょう。
・ヘテロセクシュアル
出生時の性とは異なる性が性的対象
・ホモセクシャル(現在ではこの表現はあまり使われず、ゲイ/ビアン/クィアなどの表現が好まれる)
出生時の性と同じ性が性的対象
・アセクシャル
他者に性的欲求 / 関心を抱かない(ほぼ持たない)人
※禁欲とは別物。禁欲は意図的に性行為を遠ざけようとすること
※後述するが、セクシャリティと恋愛は異なるため、「恋愛感情を持たない」とは別物
・バイセクシャル
自分と同じジェンダーと異なるジェンダーの両方が性的対象
・パンセクシャル
あらゆるジェンダーが性的対象となり得ること
・デミセクシャル
他者に性的欲求を基本抱かないが、感情的に強い結びつきがある相手には、例外的に性欲を抱くことのあるセクシャリティ。
恋愛的指向
・ヘテロロマンティック
出生時の性とは異なる性が恋愛対象
・ホモロマンティック
出生時の性と同じ性が恋愛対象
・バイロマンティック
自分と同じジェンダーと異なるジェンダーの両方が恋愛対象
・Aロマンティック
他者に恋愛感情を全く / ほぼ持たないこと
(ほぼ持たないことをグレーロマンティックという定義もある)
・パンロマンティック
あらゆるジェンダーが恋愛対象
まとめ
ジェンダーは心の性
セクシャリティは性的関心/欲求の対象の性
恋愛的指向はその名の通り、恋愛対象の性
という感じです。
私のジェンダーやセクシャリティって1つなの?
分類があると、どうしても自分の性を1つにはめ込みがちです。
しかし「私はビアンだ!」「僕はアセクだ!」というのと同じくらい
「普段はストレートだけど、今日はなんかバイだな」や「普段はゲイだけど、最近アセクだな」というのも、尊重されるべきだと思っています。
だってジェンダーは流動的だし、そもそも「変なジェンダーはない」からです。
それを指し示す言葉があって、「ジェンダー・フルイド」と言います。
ジェンダーが様々に変化することを表す単語です。
つまり、「今日は典型的な女性服を着たいけど、明日は典型的な男性服を着たい。」
といった感情も信用されるべきなのです。
やめて欲しいこと
自分のジェンダーをマイノリティーと嘘をつくことはやめて欲しいです。
最近ジェンダーフリーが流行になるあまり、その本質から外れ
「ジェンダーフリーってイケてる」という風潮を少し感じています。
そして本当はヘテロセクシュアルと自認しているのに「自分バイだよ」と言ってしまう
いわゆる「ビジネスマイノリティ」の存在も指摘され始めています。
そのような行為は、ジェンダーやセクシャリティに対して真摯に向き合っている人を貶めるものです。
ジェンダーやセクシャリティについてイケてるも何もありません。
そうでないと、僕たちマイノリティーの性がまるで「イロモノ」のようになってしまうから。
最後に
冒頭にお話しした「シスジェンダー・ホモセクシュアル・ホモロマンティックのWasaViです。」という意味の答え合わせ。
心の性 :男性
性的指向:to男性
恋愛指向:to男性
ということです。
だから僕はゲイだからといって、メイクをしたいわけでもないし、女性扱いされると違和感を感じます。
というように、ジェンダーの一例を示して参りましたが、この分類が少しでも自分の性を愛せる手助けになるならばいいなと思います。
そして、これまで紹介してきた分類は、あくまでも一部でしかありません。
冒頭でも少し述べましたが、一人一人が特別で変ではないため、
もしどの分類に当てはまらなくても、自分の性を大切に思って欲しいなと感じます。
全ての人が自分の性に対して前向きな感情を抱ける未来がいち早く訪れることを祈り
本記事の締めくくります。
それではまた次の記事でお会いしましょう
WasaVi
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