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こんにちは、WasaViです。

今回はBallroomやVogueを既に知っている人向けの記事です。

「Ballって何?」「Vogueって何?」という方は

こちらの記事をまず読んでみてください!

今日は現代日本でのBallroomの「価値」について深ぼります。


はじめに


例えば、こんなことを考えた事はありませんか?

海外発祥のBallという形は、日本のLGBTQ+のシェルターとなれるのか。

「Ballroomは全ての差別から解き放たれた場所」でありながら

Ballroomのビューティーカテゴリーはルッキズムを助長しているのではないか?

1970年代の黒人ラテン人のゲイの間で生まれたコミュニティ、Ballroom。

彼達が生み出した文化は素晴らしいことは言うまでもありませんが、

果たして、2020年代の、遠く離れた日本で、Ballroomを開催して

Ballroomの本来の役割を果たせるのでしょうか。

今日はそんな議題について、今日の日本のBallroomシーンを作り上げているお二人と

対談して参りました。

※この記事はあくまでも私たち3名の意見であり、正解ではないため

皆様も自分なりの答えを導き出してください!

他人をいじめるような否定/発信はお控えください。

対談者プロフィール

・Koppi Mizrahi

10年前、日本に初めてBallroomを持ち込んだ張本人。

開催したBALLの数はなんと約30回。

近頃ではTRUNK HOTELにて日本最大級のBALLを成功させた。

主催BALL:Discovery Ballなど

・HIHA Babylon

現在もっとも勢いを見せるkiki ball主催者

新宿2丁目を巻き込んだBallは、200人以上の動員数を誇る

日本のBallroomとマイノリティを結びつけた。

主催BALL:tokyo kiki lounge


多様性を認めるBallって何?


WasaVi
WasaVi
今回はBall主催者のお二人にインタビューしてまいります。よろしくお願いします。

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahiです。よろしくお願いします。

HIHA Babylon
HIHA Babylon
HIHA Babylonです。お願いします。

WasaVi
WasaVi
早速クライマックスのような質問ですが、お二人にとってBallってなんですか?

HIHA Babylon
HIHA Babylon
自分自身でいられる場所です。そう思うのは、僕自身カミングアウトできた理由がVogueと出会ったからです。(※) Vogueをするまでは服装も男らしかったのですが、Runwayや海外のBallを見た時、初めて自分のフェミニンさを、自分で受け入れられたんです。
実際に僕の初Ballの衣装ってマレフィセントでスカートにヒールだったんですよ。当時じゃそんな服とか考えられなかったですね。だし、その衣装を着ても誰にも馬鹿にされなかったし、凄く心地いいなと思いました。

(※)カミングアウト済だからと言って本人の同意なしに周囲の人へ「あの人はゲイ」と言うのはやめましょう。それはアウティングと言う悪質な行為です。

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
私は今まで知らなかった自分を発見できる場所かな。Ballに行って初めて「自分もこんな格好していいんだ」と思ったし、Ballがキッカケになって出来るようになったことも多い。Sex Sirenに出たりね。
実際Ballを知る前と後で自分のファッションやパフォーマンスって凄く変わったなと思います。

WasaVi
WasaVi
新しい自分を受け入れられるキッカケがBallにあったんですね。僕も「好きな自分でいられる」所に惹かれました。僕自身フェミニンになりたい願望はないんですが、そう言う僕も受け入れてくれるし、HIHA君みたいにフェミニンな願望も受け入れてくれる。素晴らしいなと思います。
ではBall主催者として大切にしていることはありますか?

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
ダンスイベントにしないことかな。私が主催を始めた当時は、Vogueが世界的に有名になってきた時で、だからこそ他の要素を入れてカルチャーを薄めたくなかったんだよね。正直集客には苦戦したけど、それでも他のジャンルを混ぜないことを重視しました。

HIHA Babylon
HIHA Babylon
自分もそうで、ただ「カテゴリーを歩く」というイベントにはしたくないですね。Ballってバトルのイベントではない側面も大きいから、そこにもしっかりフォーカスしていきたいです。

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
あとは多様性であったり、そう言う面を重視したBallでありたいと思ってる。自分はLGBTQ+との繋がりが薄く、最初はストリートダンスからの集客が多かったから、LGBTQ+の人が参加し辛い空気になってしまってたんだけど、DQさんとコラボしたり色々チャレンジしたかな。そう言う背景もあって、今HIHA君のおかげで状況が大きく変わってきていて凄く嬉しい。

HIHA Babylon
HIHA Babylon
ありがとうございます。僕はLGBTQ+やアライなど様々な人が集まるBallを心がけてます。2丁目で開催しているのも、僕たちにとって2丁目が「そこにいるだけで楽しい」と言うホームだからです。じゃあなんでそれを大切にしているかって、ゲイの人って、学生時代「オカマじゃない?」と言われていじめがあったり、日の目を浴びない人も多いと思うんです。けどBallroomでは自分自身を思いきり発揮しても馬鹿にされないし、自分に自信が持てる場所なんです。Ballが僕を変えてくれたように、僕もBallを通してマイノリティのコミュニティに還元していきたいと思っています。

WasaVi
WasaVi
「多様性」って排他的な面も持っていると思うんです。実際、Ballは元々レズビアンやノンケ(※)のためではなくゲイのための場所でした。「多様性があるBall」ってなんだと思いますか?

(※)ストレート/シスヘテロ

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
全ての人が輝ける場所かな。マイノリティの人が自分らしく堂々と振る舞える場所であるのはもちろん、ノンケであっても自分を開放させる場所を作りたいです。あとは今後、性の多様性だけではなくて、体が不自由な人が色目で見られない場所を作りたいし、本当の意味で色々な人を受け入れているBallを作りたいと思っています。

WasaVi
WasaVi
なるほど。確かにBallというマイノリティのシェルターとしてのコミュニティが「ダンスイベント」として消費されるのは凄く嫌だし、その為には「常に」多様性の本質を追求し続けなければならないですね。
けどここで思ったのですが、実際Ballって海外から生まれたもの。
日本のマイノリティのためになっているんでしょうか…?


Ballroomは日本のマイノリティの為になる?


WasaVi
WasaVi
まずそもそもBallって日本のマイノリティのためになっていると感じますか?

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
感じます。ストレートの方も、Ballを通してマイノリティのリアルな声を感じられると思うからです。
私はBallで初めてマイノリティの人としっかりと関わりを持ちました。けど実際にマイノリティの人と関わる事がない人って沢山いると思います。そういう人にとってマイノリティ問題が身近で無くなるのは想像に容易い。
私が思うに、やっぱりストレートの人って特権を持っているんですよ。マイノリティ問題を解決する為にはマジョリティの力が必要不可欠です。だからこそ私達は自分たちの持つ特権や、日本で起きている差別などに目を向ける必要があるし、Ballはそのキッカケになれると感じています。だからBallroomに来る人は積極的に運動に参加したり、応援して欲しいなと思います。

HIHA Babylon
HIHA Babylon
僕も感じています。ただネガティブな面も感じています。
いい面を言うと、「今まで自分にスポットライトが当たることなんて無かったから、Ballが凄く楽しかった」という声を聞いたんです。自分もそうだったのですが、先ほども述べたようにLGBTQ+の人達ってクラスで浮いてしまったり、自分に負い目を感じてる人も多いと思います。
例えばTensと言うその人一人だけにスポットライトが当たる瞬間で、ありのままの自分自身に自信を持てる瞬間を作れているとしたら、シーンに貢献しているのかなって。

WasaVi
WasaVi
確かにね。Vogueを始めた頃は、フェミニンな動きが許される場所ってBallしかないと感じていて、そう言う場所があることに凄く感謝を感じていました。だから僕もBallはマイノリティシーンに貢献していると感じます。
ネガティブな面っていうのはどういうところ?

HIHA Babylon
HIHA Babylon
Ballがアウティングの場所になる危険性があるのでは?と考えています。
日本は同性婚もできないように、理解がない人が多い。BallがLGBTQ+の場所だと認知されればされるほど、クローゼットの人からしたらBALLに出ることがアウティングになる。
アウティングにならなかったとしても、疑いの目を向けられることは避けられない。
そこが難しいなと思います。

WasaVi
WasaVi
心から同意するね。マイノリティに優しくない世間にマイノリティのシェルターが露出するってかなり怖い。Ballでも「人」じゃなくて「ゲイ」として消費されてるなって感じる時があるもん。
そして次に話し合いたかった議題がそれなんです。


BALLは広まるべき?


WasaVi
WasaVi
僕はBallが広まって欲しいと同時に、今の日本社会を考えると、多くのノンケの人がBallを認識するのに危機感を覚えています。もちろんBallが広まることで得られるものもあるけど、LGBTQ+の居場所としての機能は無くなっていくような気がして。それこそ「多様性」を認めることで「自分らしさ」が失われていく感覚があります。
お二人はどう思いますか?

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
一つの考えだけど、マイノリティのシェルターではあるんだけど、そこにマジョリティも参加することで、Ballにきている = マイノリティとは認識され辛くなるんじゃないかな。

HIHA Babylon
HIHA Babylon
そして参加者には、LGBTQ+への理解が必要不可欠ですよね。

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
間違いないね。皆が安全に参加できるように参加するにあたって差別禁止のルールを明確に打ち出すべきだと思う。

HIHA Babylon
HIHA Babylon
なるほど。そこで出てくる難しい問題点として、
僕、どうしてもまだノンケの男性が怖いというか、ぎこちないんですよ。
だからマジョリティの人が増えすぎると、行き辛くなるなって感じます。
バランスが難しいですよね…

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
だからこそVogueをしている人はVogueを「形」として消費せずに
Ballroomの歴史やLGBTQ+の背景を学んで、全員でマイノリティコミュニティをサポートできる体制になったら素敵だよね。
黒人/ラテン人やLGBTQ+に還元するという事の第一歩にもなる。

WasaVi
WasaVi
凄くわかる。単に「Ballって素敵だから皆来てー!」という言葉はとても危険。
僕もノンケの人が増えすぎたら、今の日本じゃ余計ゲイとして消費されてしまうし、Ballで生き辛くなる。今は理解のある人/しようとしている人に伝える事が大切だと思う。
そして、しっかりマイノリティコミュニティと繋げられたらいいね。
…だけど、それって現実的なんでしょうか?


東京外でのBall開催の難しさ


WasaVi
WasaVi
実際に僕も昔大阪でBallを企画していましたが、
マイノリティコミュニティを大きく巻き込むのって凄く難しいなと思ったんです。
だけど、もちろん東京以外にもマイノリティの人はいるし、東京以外のBallも非常に大切じゃないですか。
どうやったら東京以外でBallの本質が広がると思いますか?

HIHA Babylon
HIHA Babylon
東京は2丁目という圧倒的な存在がある上に、そもそも東京自体が人種のルツボだからやり易いけど
確かに東京以外って難しいですよね。

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
例えばプライドパレードがある地域とかだったら巻き込みやすいかなと思った。
東京ほどマイノリティコミュニティは大きくないかもしれないけど、DQさんをゲストに呼ぶとか
少しでもいいから巻き込むことが大切なんじゃないかな。

HIHA Babylon
HIHA Babylon
Koppiさんって何もない東京にBallを持ち込んで、今ここまでマイノリティコミュニティを巻き込んでるじゃないですか。何かノウハウとかありそうです。

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
最初は小さなスタジオでもいいから、マイノリティ問題に関心がある人を集めて
そこでちゃんと歴史とかカルチャーを説明したりするとかどうかな。
プラス練習会みたいな。
来たいと思ってる人の中には、いきなりクラブに行くのは気が引けるって人も居るかもしれないしね。

HIHA Babylon
HIHA Babylon
それこそ座談会+練習会みたいな!

WasaVi
WasaVi
待って、それめちゃくちゃいいやん。やっぱり主催する人が率先して歴史や文化を伝えないと、もちろん伝わらないですもん。

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
今はBallに来ていないけど興味がある人に座談会の時点で参加してもらえれば
そこから広がるかもしれないしね。

HIHA Babylon
HIHA Babylon
あと僕Drag Queenの力って本当に大きいなって凄く感じます。
tokyo kiki loungeもDQさんの力がないとここまで大きくならなかったなって感じます。
今露出が多いゲイアイコン的な存在だと思うので。

WasaVi
WasaVi
座談会ではどういうことを伝えればいいと思いますか?

HIHA Babylon
HIHA Babylon
まずは歴史。歴史を知ることは必要不可欠。
そして社会情勢などの背景や、そこから発展して今の黒人ラテン人の現状じゃないですかね。

WasaVi
WasaVi
それは必須やんな。あとは日本でのマイノリティの現状とか、小さな議題やけど「僕達は何をされたら嫌か」とかについても皆でシェアしたい。
だってリアルな声って、当事者以外に分からへんのは当然のことやと思うもん。
それはゲイの僕だけじゃなくて女性の立場からも、ノンケ男性の立場からも平等に話し合いたいかも。

HIHA Babylon
HIHA Babylon
マイクロアグレッションというか、自分は気にしてなくても相手が気にしてることって沢山ありますもんね。
「私ゲイの友達欲しかったんだよね」とか言われた時少し傷ついてしまうんだけど、悪気ないのは分かるからこそ伝えられればなって。

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
東京以外ってやっぱり人数が少ないし、尚更そういう活動が必要かもしれないね。
人数がすくないってだけで、珍しい目で見られる事が多いかもしれないもんね。

HIHA Babylon
HIHA Babylon
伝説のポケモンみたいな笑

WasaVi
WasaVi
ゲイってもっと身近にいるんだよってことを知るだけで変わるかもしれないですね。

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
いろんな人が身近に居るかもしれないっていう自覚を持ってもらうだけでも会話に気をつけられるのかなって思う。
見た目がストレートっぽくてもゲイかもしれないし、本当に分からないから。


ノンケ男性がBALLを歩くことについて


WasaVi
WasaVi
東京以外のBallではノンケ男性の参加者も多く、優勝する事だってある。
僕はそれについて何もネガティブな感情を抱いていないんですが、ふと
理解があれば、参加者が全員ノンケでもマイノリティカルチャーとしての性質を維持できるのかな?
って考えた事があって。
どう思いますか?

HIHA Babylon
HIHA Babylon
実際僕もBallを歩いていて「僕はアジア人だから文化の盗用になり得るんじゃないかな」って考えた事がありました。
僕個人の意見としては、理解とリスペクトさえあれば問題ないと思います。実際に本場にもノンケはいるし。
だけども、その人が口先だけで実際なんの行動も起こしていないとしたらそれは問題ですけど。

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
私もHIHA君の意見に近い。参加は誰でもできるようにするべきだけど、非当事者の人はアライという立場を表に出して欲しい
そして形式上だけではなくてマイノリティ問題や人種問題についてもっと深ぼって考えて欲しいな。
例えばだけど、6月はプライドマンスって言っても「じゃあ貴方にとってのプライドって何?」って聞かれた時に明確に答えられるくらい考えて欲しいし
平等という言葉一つとっても、「それはなんの平等なのか」と言えるようになるべきだと思う。

WasaVi
WasaVi
Ballってそこに居る人達全員が平等であるべきだからこそ、我々マイノリティも含め、一丸となって考える必要がありますね。

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
マイノリティの人達が集まって声を上げたとしても、決める権限があるのはマジョリティの人が多いから、マジョリティの人達がそういう活動を応援しないと社会は変わらないと思う。
特にBallやVogueの恩恵を受けてお金を稼いでいたりする人達は、ただの盗用にならないためにも、ちゃんと行動に移して欲しい。
自分もこの問題について考え始めたのはここ最近の話だし、皆で考えていきたいな。

HIHA Babylon
HIHA Babylon
Ballに来るというだけでもコミュニティをサポートするという意味になるし、見に来るだけでもいいから来て欲しいなと思います。

WasaVi
WasaVi
小さな行動だけでも変わるってことを知ってもらえれればいいですね。
僕的には大袈裟じゃなくていいので、例えばSNSで情報をシェアするだけでも一歩目になると感じています。引用リツイートじゃなくてもいいので!それ以外でも小さくていいから、一歩を踏み出すことが大切だなと思います。
あとVogueについていうと、ストリートダンス界隈でVogueってなんかイロモノというか「特別賞枠」な感じありません!?

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
ちゃくちゃ分かる笑
Vogueの動きってキャッチーだし受けがいいというのもあるしね。

WasaVi
WasaVi
Vogueしてる=個性的?みたいな謎の風潮もありますが
そこから脱却するためにも、しっかりカルチャーを伝えられたら素敵ですね。
さて、最後の議題に移りましょう!


Faceはルッキズムを助長しているのでは?


WasaVi
WasaVi
現在ルッキズム運動の注目度が高まっていますが、Ballには外見の容姿を競うカテゴリーがいくつかあります。
例えばFaceカテゴリーは、ルッキズムに当てはまるのでしょうか?

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
とても難しい問題だね。こういうことを考えた始めたのもシーンに否定的な意見を投げかけてくれた人のおかげなんだけど、Faceというカテゴリー自体が悪ではないと思う。
これは一つの意見だけど、Ballで優勝するには相応の準備と覚悟がいるって言われてるんだよね。
例えばFaceだと肌の綺麗さとか歯並びを見るんだけど、アメリカだと出る人は優勝する為に矯正やら何やら、皆お金をかけてくるイメージがある。
Faceだけじゃなくてカテゴリーに出るということは「ジャッジされる」覚悟がいるんだよね。

WasaVi
WasaVi
Faceって「自分の美を認めて欲しい」という承認欲求や「俺はアイツよりイケメンだ」という闘争心から生まれたカテゴリーだと思うんです。
その欲望は尊重されるべきだと思うし、そもそもこの世界に絶対的な美の評価基準があることは否定できない。
その評価基準に自ら挑む事を否定する事は、ルッキズム運動の本質ではないと思います。
もちろん、誰彼構わず「アイツはアイツの上!」ってするのは悪質ですが、
Faceという思う存分自分の美で勝ち上がる場所は欲しいなと思います。

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
そうだね。実際にFaceで活躍している人はいるし、Faceをなくすと言うことは、その人たちが輝ける場所を奪うと言うこと。
ただやっぱり美に優劣をつけるという側面も否定はできない。
Ballroomの伝統は守りたいけど、時代によって変えていかなければならない面もあるなと思います。
例えば、単に素材の美しさで決めるのではなくテーマに沿ったメイクを競うとか、変えていけばいいんじゃないかな。

HIHA Babylon
HIHA Babylon
あとFaceって単に素材の美しさだけを競っているわけではないんですよ。
どれだけ素材が良くても、パフォーマンスによってはChopになり得ます。
その点で衣装やAttituideも大事ですよね。

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
Faceは顔そのものの美しさだけではなくて
自分の顔をプレゼンする力もジャッジされているよね。

WasaVi
WasaVi
Ballは競う場所である以上、Ball特有の優劣基準がある。
カテゴリーに出る以上「なりたい自分」は幾分かBallの基準に引っ張られる。
カテゴリーに出る人も、参加者をジャッジする人も、それを受け入れる覚悟が必要ですね。
そしてカテゴリー外ではそれを押し付ける行動は控えないとと思います。
ちなみに差別とChop/ジャッジとは何が違うと思いますか?


差別とChop, ジャッジの違い


Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
まずChopはルールがわかっていなかったりカテゴリーにそぐわない時に下されるもの。
そしてジャッジは自分の中の基準値をどちらが上回っているかで判断するもの。
差別はそうではなくて、好き/嫌いという私的で2極的なものだと思う。

HIHA Babylon
HIHA Babylon
Ballroomのジャッジって全員本気だからこその身内贔屓があって
そういうのはいいと思いますが、自分の好みじゃないからという
不当なChop / ジャッジというのは無しですよね。

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
私的に、特にTensは努力が見えたら上げるようにしている。
逆にChopしてもその人の努力次第でTensが上がる可能性はあるから、どんどんチャレンジしていって欲しい。

HIHA Babylon
HIHA Babylon
努力というと、ちょっとでも怠惰な部分が見えたらChopですよね。
努力の質の高さもかなり見られているなと感じます。

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
Ball自体は誰でもきていいし、どんな格好をしてもいいけど、
もしカテゴリーに出るならば、準備と覚悟を決めて出て欲しいです。

WasaVi
WasaVi
ちなみにジャッジで言うと、Sex SirenやVogue Femmeなど「セクシー」の基準は国によって異なると思います。
日本で開く場合は、日本の基準でジャッジしてもいいと思いますか?

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
それはいいんじゃないかな。
もちろんアメリカで同じことをしたときにどういう評価になるか分からないけど
日本のBallで日本固有の価値観を否定しなくてもいいと思うよ。

WasaVi
WasaVi
なるほど。ありがとうございます。


リアルネスでノンケが「ゲイらしい」とチョップすることは差別ではないか


WasaVi
WasaVi
リアルネスのジャッジパネルにノンケの人がいるのってどうなんでしょうか。
リアルネスとは本来、ゲイに優しくない社会でいかにゲイとバレないかを競うカテゴリーでした。
「ホモっぽいから落とします」とノンケの人がジャッジするのに違和感を感じますが、
いかがでしょうか?

HIHA Babylon
HIHA Babylon
それはそう思いますね。
しかもゲイからみる「ゲイらしさ」とノンケからみる「ゲイらしさ」も違いますもんね。
基準値が揃わないんじゃないかなとも思います。

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
リアルネスのパフォーマンスってオラオラしてるけど、実際のノンケって中性的な人もいるしね。
ってなると「ノンケらしさ」も色々出始めてきてて、定められない。

WasaVi
WasaVi
リアルネスというカテゴリーが無意識に「ノンケらしさ」を定めていますよね。
「普通のノンケはこうでしょ!」みたいな。

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
リアルネスをノンケに見えるかどうかだけではなくて、
School Boyとかエグゼクティブとか、テーマを決めて、
いかにそのテーマをプレゼンできているかもジャッジ基準にしたらいいんじゃないかな。

WasaVi
WasaVi
なるほど。ちなみに時代や国に合わせてカテゴリーの内容やジャッジ基準を変えることは
文化を薄めることとは違うのでしょうか?


カテゴリー内容を変える事は文化を薄める事とは違うのか?


Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
それは違うと思う。むしろ文化の盗用にもならないためにも、
アメリカのBallの形を日本でそのまま開催するのではなく
ちゃんと主催者が文化や歴史を理解して、日本にあった形に昇華する事が大切だと思う。

HIHA Babylon
HIHA Babylon
実際アメリカではノンバイナリーカテゴリーなど
時代に合わせて、より幅広いジェンダーに対応できるBallになるように
変わってきていますよ。

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
ジェンダーノンコーフォーミングのカテゴリーも出てきているよね。
ただ当然、Ballにいる人全員がジェンダーについて理解できていたわけではないから
主催者が主体的に参加者にジェンダーについて伝えながら実施する必要がある。
実際ヨーロッパでも長い月日をかけて徐々に認知されていったと聞くし。

WasaVi
WasaVi
やっぱり本場でも時代に合わせて変わっていっているんですね。
それってつまりBallを主催する人って、幅広い社会問題に対して常にアップデートし続ける必要があるし
常に自分の答えを持ち続けないといけないなと強く感じました。
単に「アメリカ発祥のBallをやります!」ってだけ足りないんだなと感じました。
Ballを通した発信で、より社会が寛容な方向に進めばいいなと思います。

WasaVi
WasaVi
以上でインタビューは終わりとなります。
ありがとうございました!
最後に何か一言お願いします。

HIHA Babylon
HIHA Babylon
ありがとうございました!
もっとBallを盛り上げていくためにも、色々な問題に対して考え続けながら、
頑張っていきたいと思います。

Koppi Mizrahi
Koppi Mizrahi
ありがとう!
私は、Ballの伝統を崩さずに日本の人に参加してもらうためにはどうしようかとよく悩んでいました。
今後の展望としては、Ballって今は競争の場所になって居るけど、いつかそれ競争以外のコンテンツなどもしたいと思っています。
より幅広い人が楽しめるBallになるように頑張ります。


最後に


今回は現代日本でのBallroomの「在り方」について、

今をときめくBall主催者お二人と話し合いました。

ここまでの議論はあくまでも私たちの意見であり

私たちの考えもきっと時が進むにつれアップデートされるでしょう。

この記事を読んでくださった皆様も是非自分なりの答えを見つけていただけると嬉しいです。

その際は是非、僕のSNS

Twitter / Instagram @wasavi_zm 

をタグつけして教えてください!

皆様の色々な考えと巡り会えることを楽しみにしています!

本日対談したお二人のSNSはこちら!

Ballの情報などアップデートされているので

是非チェックしてみてください!

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それではまた次の記事でお会いしましょう!

WasaViでした!

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