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こんにちは、House of MilanのWasaVi Milanです。

 

という挨拶、どういう意味かお分かりでしょうか?

私はMilanという名前のHouseに属するWasaViです。

ということです。

とは言っても「Houseって何?」という方も多いと思いますので、

今回は、Ballroom(Vogue)カルチャーとは切っても切り離せない「House」について紹介します。


Houseってなに?


簡単に言えば、Houseとはファミリーです。

Ballroomには様々なHouseが存在します。

僕のHouse of Milanもそうですし、House of XtravaganzaやHouse of Ninja, House of LaBeijaなどなど。

まず、「Houseとは何か?」の話をする前に、Vogueカルチャーが生まれた当時のNYについてお話しします。

Vogueカルチャーは1960年代、NYの黒人・ラテン人のゲイシーンから生まれました。

今はそうではないですが、当時「ゲイ」といえば「隠さねばならない」もの。

自分はゲイだと公表すれば差別が待ち受ける世界で、ゲイたちは生きていました。

 

ただ、自分のセクシャリティを騙しながら生きるのは、そう簡単なことではありません。

社会からジェンダー・人種差別を受け、居場所を失ってしまった人たちがいました。

自分のアイデンティティーを受け入れられない自分に対して苦しむ人たちがいました。

中には家族にバレてしまい、本当の家を追い出される人もいました。

そういう人たちはどこに行くのか。

その行き先こそがBallroom(Vogue)カルチャーの「House」です。

時々Houseをチームと訳したりすることがありますが、Houseはチーム以上の存在です。

当時のゲイを差別社会から守り、安全な居場所を作り、安らぎを与える。

Houseは、まさに「家族」のような存在であったのです。

また、「自分の家族はここだ」というように、Houseメンバーは苗字に自分のHouseを付けました。

例)WasaVi Milan

そして、Houseの名声を得るため、そしてHouseのプライドをかけて、House一丸となってBALLで勝ちに行くのです。


Houseってどんな人で出来ているの?


家族というだけあって、Houseメンバーには主に下記の役割が与えられます。

・Mother(母), Father(父) – Houseを統率する人

・Siblings / Children(兄弟姉妹 / 子供達) – ハウスメンバー

当時のBallroomカルチャーにフォーカスしたドキュメンタリー「Paris Is Burning」では

House同士の繋がりについてこのように語られています。

血が繋がっていなくても私たちは家族になれる。

私たちはお互いを兄弟姉妹、お母さんって呼ぶの。

だって彼もゲイだし、自分もゲイだから。

また、同作中、House of XtravaganzaのMother ‘Angie Xtravaganza’は、Motherの在り方についてこのように語ります。

BALLがある時、私は子供たち全員に何かしてあげるの。

メイクをしてあげたり、靴やアクセサリーを選んであげたり。

私は、14歳の時に、血が繋がっている家族からゲイ社会に逃げてきたんだけど

そこから学んだゲイ社会での生き方なんかをアドバイスしたりもするわ。

Mother/FatherはChildrenを想い、BALLでの活躍、そしてその人の人生までサポートしていました。

この通り、Houseは本当の家族の絆を生み出し、当時の社会から拒絶されてしまった彼らのシェルターとして、

そして安らぎの場所として機能していったのです。

▼Angie Xtravaganza (from ‘Paris Is Burning’)


Houseに入るには


よく「どうやったらHouseに入れるんだろう」と聞きます。

答えは「Houseによってまちまち」です。

Ballでピックされたり、ハウスメンバーと非常に仲が良くて入ったり、中にはオーディションのような形もあります。

なぜ入る方法がいろいろあるかと言うと、Houseにはそれぞれのルールがあるためです。

全ての家庭で「門限は20時!」と決まっていないように、

Houseによってルールは異なります。

ただ僕がよく聞くのは「その人の人柄を知ってから」というのは共通している気がします。

家族としてその人を迎え入れる以上、その人のことをよく知ってから、という流れが多いです。

 

ちなみに、決してVOGUEダンサーだけがHouseに所属しているわけではありません。

Ballroomにはダンス以外のカテゴリーもあるため、ダンサーだけでなく、ファッション関係の人や、メイク関係の人など、様々な人がいます。

有名な話でいうと、アメリカのスターRihannaはHouse of Miyake Muglerの一員だったりします。

そして僕もダンサーとしてではなく、「音関連の人」としてHouse of Milanに迎え入れてもらいました。

Ballroomに関わりを持とうとする人には、Houseの門は開かれていると感じます。


まとめ


BallroomカルチャーでいうHouseとは、共にBALLで戦う家族のような存在です。

社会の重圧から逃れ、自分自身を最大限に表現できる場所を作ってくれる居場所です。

最近は日本のBALLでもHouseが広がって、よりHouseのプライドをかけたバトルが観れるようになってきました。

興味がある方は、是非BALLに訪れてみてください!

 


House of Milanについて


ちなみに、僕が属しているファミリーはHouse of Milanです。

NYにて、1989年に正式に設立されたHouseで、

日本にもあと2名ファミリーがいます。(2020/12/31時点)

House of Milanについては、おいおい別記事を作ろうと思います!

今日はここまで 🙂

 

WasaVi Milan

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